はにわ旅日記

日本中を自分の足で旅したい!

関東ふれあいの道・神奈川17  古戦場は今も

こんにちわ、うちだまです。

関東ふれあいの道アタックの8回目は、いよいよ神奈川県コース17番目、県内ラストウォークです。神奈川県完歩に向けていざ出発しましょう!

関東ふれあいの道については「NATS自然大好きクラブ」をご覧ください】

  • コース:17 北条武田合戦場のみち
  • 日程:2020年1月13日(月・祝)
  • 距離・コースタイム:16.2Km・5時間30分

【神奈川県コースの全体図】 

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(マップ1)坂尻バス停〜田代半僧坊

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(マップ2)田代半僧坊〜韮尾根バス停

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目次

  1. 今回の見どころ
  2. アプローチ
  3. 起点〜田代半僧坊
  4. 田代半僧坊〜三増合戦場
  5. 三増合戦場〜終点
  6. 終点〜半原バス停
  7. まとめ

今回の見どころ

勝楽寺(しょうらくじ)というよりも半僧坊と呼ぶ方が馴染みがあります。詳しく知りませんでしたが、この地の名刹で、非常に由緒のある寺院とのことでした。

毎年春に大祭が催されるそうです。お邪魔したことはありませんが、写真で見るとテキ屋さんのテントがひしめくように軒を連ね、参道は祭り客で埋め尽くされています。

pocketniaikawa.com

半僧坊の山門は殊に迫力があります。大祭の賑わいなんて微塵も感じさせない、無言で荘厳な出迎えをしてくれました。

アプローチ

小田急線・本厚木駅から路線バスで移動します。40分ほど乗りますが、途中までは登山客の利用もあり、迷うところではありません。

起点〜田代半僧坊

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バスを降りた坂尻バス停が起点です。コース12でも訪れている場所で、案内板なども確認済みです。起点から半原越まではその時と同じルートを辿ります。以下の記事をご参照ください。

uchidama0520.hatenablog.com

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半原越で舗装路は終わり、登山道に入ります。このとき仏果山方面には行きません(そちらはコース12です)のでお間違えなく。取り付きから斜面はやや急で徐々に息が切れてきます。

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登りきったところに経石があります。何でもその昔、落武者がここに逃れてきたんだとか。

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経石を過ぎてすぐが経ヶ岳。小さなこの山頂では仏果山ほどの眺望は望めませんが、西側に丹沢山塊がくっきりと見えます。さあ、体が冷えるので先へ急ぎましょう。

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ピークをとってしまえば後は下るだけ。すれ違うハイカーの皆さんと挨拶しながら飛ばします。堰を越え、山道が林道の雰囲気に変わったなと感じる辺りで車道と接します。

田代半僧坊〜三増合戦場

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進行方向向かって左手の歩道を道なりに進みます。信号を超えた先に階段があるのでそこを降りましょう。

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降りたところで山門と真正面から対峙します。勝楽寺・田代半僧坊です。これまでのアタックでいくつも寺院を見てきましたが、山門の前で唸ったのは初めて。高いところから誰かに見られているような大きな圧力を感じました。青味がかった体の阿形と吽形には風格を感じます。

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境内に人気はなくひっそりしています。参拝のために奥へ入りますが、鐘撞堂やいくつかの建物が敷地内にあり、それぞれが存在を主張しています。お参りを済ませたら何だかサッパリした気持ちになりました。さあ、三増へ向けて進みましょう。

三増合戦場〜終点

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小高い丘に上がり、人気のない畑の先で車が横切りました。その向かいに囲われた一角があり、東屋と石碑が見えます。三増(みませ)合戦場は思ったよりずっと密やかに佇んでいました。周囲を遮るものはなく、かつての大合戦に思いを馳せるにはうってつけです。この石碑が撮影ポイントです。

永禄12年10月、甲斐の武田信玄は総勢2万の兵を率いて北条氏康小田原城を包囲攻撃しますが、攻略することはできず、帰路を三増峠にとりました。これを察知した氏康は幕下の将兵2万を三増に進出させます。10月6日、三増山地一帯の武田陣に対し北条軍は随所に出撃し激戦となりました。緒戦は北条軍有利に展開しますが、武田方遊軍が背後から挟撃すると、北条軍は総くずれとなり敗走しました。

出典:愛川町HP「三増合戦場跡」

真偽の程は別にして、武田の軍勢は小田原遠征に疲れ士気が落ちたと聞いたことがあります。長距離ウォークを経験した今だから想像できます。甲府から遠路歩いて山を越え、命掛けて戦わされる。そりゃ寂しくて辛い。帰りたいですよね。逆に引き上げる途中の三増合戦は何が何でも生きて帰ると願う兵たちの執念ではないでしょうか。

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次を目指し軽くひと登り。人通りの無い寂しい道の傍らに文字の消えた、朽ちかけた標識があり、そこが志田峠です。通過した先に清正光・朝日寺がありますが、非常に寂れた雰囲気。本堂への階段が長いこともあり、参拝は遠慮しました。

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かつて使われていた牛舎らしき建物の跡があり、通過します。日の当たる開けた場所で背の低いお地蔵様と出会いました。手を合わせるのにしゃがみ込むと、近くに見覚えのある指導標識がありました。ここでコース13ルートに合流です。雨乞山の姿を見上げて過日のアタックが思い出され、つい頬が緩みます。

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目指すバス停の在り処はわかっています。集落を通りながら、さながらウイニングランのように気持ちが昂ぶります。ゴールテープを切る代わりにバス停にタッチして終点・韮尾根バス停に到着です。

終点〜半原バス停

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韮尾根バス停を通る路線は本数が僅かです。当てにしないで半原バス停を目指し、もうひと歩きしましょう。

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数メートル行くとローソンの看板が見えてきます。車道反対側に車が列をなしていて次々に駐車場へ吸い込まていきます。ここが揚げパンで有名なオギノパンです。何度も訪れていますが、今日もここに立ち寄ると決めていました。揚げパン一本とは実にささやかですけど、踏破直後のお祝いでした。

ogino-pan.com

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この区間はコース設定外なので指導標識はありませんが、迷うところでもありません。車道を南に向かい、半原日向の信号を左折したら後は直進するだけ。青い橋を渡ったら半原バス停に到着します。

まとめ

起点〜田代半僧坊:経ヶ岳は小さくてこんもりとしています。逆回りだと少し長めの上り道になります。

田代半僧坊〜三増合戦場:半僧坊からは集落を抜けて川を渡り、淡々とした道になります。心配な方は市街地地図があると安心ですね。

三増合戦場〜終点:韮尾根の集落へ向かう道はかなり寂しいです。迷いにくい道ですが、日の高い時刻に通過する方が良いでしょう。

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神奈川県コース完歩!

色々な思いが込み上げますが、それらは落ち着いて別記事にしたためます。

まずはとにかく、嬉しいです!

帰りのバスに揺られながら心地よい疲れに包まれました。でも心は既に東京都、何せ道はまだまだ続くのですから。

最後までお読みいただきありがとうございました。次回は神奈川県コースを振り返り、総括します。